臨床動作法

どんなことをするの?

セラピストの誘導に従って動作をしてもらいます。

どんな人が受けるの?

腕が上がらない(五十肩など)、肩こり、寝違えた、慢性腰痛、常に緊張している、いつも緩んでしゃきっとしない、体の冷え、顔の凝り、首の凝り、足・膝の痛み、肩甲骨の凝り、眠れない・・・など。

暴れて殴る子どもに臨床動作法をする事で「先生、力が入らないので殴れません」と言ったという症例も聞きました。

他にも、ストレスでの肌荒れや脱毛などに効果があったという症例もあります。

臨床動作法とは?

現在、心理療法と言うと海外から入って来たものが多い中、日本の療法として臨床動作法を発案されたのが九州大学名誉教授であり、催眠療法の権威でもある成瀬悟策先生(1924 - 2019年)です。(柳原も2~3度,直に伝授して頂きました。)

成瀬先生は、著書『動作療法〜まったく新しい心理法の理論と方法』(2000年発行)で、こう書かれています。

「人の現実の日常生活というものは、生けるからだをその持ち主である主体が意図して動かすという能動的な活動で成り立っています。その意図通りの身体運動を実現しようと努力する主体の心理過程を動作といいます。
・・・(中略)・・・
動作こそは行ける証であると同時に、生き抜く活動の基盤をもなすものです。
・・・(中略)・・・
主体の気持ちが安定しており、意図が明確なら、その通り、まさに同時・同型的に緊張したり骨格を動かすように働くものですが、主体の側の気持ちが不安定だったり、意図が曖昧・混乱し、あるいは未熟・不全であれば、それがそのままからだの不適切な緊張や動きとなって現れます。」

動作療法の施術

臨床動作法は、セラピストの誘導するように動作をしてもらう事で、日常生活の中で作られた固定された動きにより固まった部分に、細胞レベルで「こんなに緩む事が出来るのですよ」と教えてあげます。
何度かしているうちに、そこの部分が緩む事を覚えていきます。のち、自分で緩める事を覚えられれば、セルフケア(自分で治療)する事も可能です。

元々、成瀬先生は、脳性麻痺の子どもたちに開発され、臨床動作法により腕を伸ばす事が出来るようになるとか、重度の障害をもった子が歩けるようになり普通学級に通えるようになったケースからスタートされています。

生まれたての赤ちゃんが体を一生懸命動かしているのは意味が無いとされていた頃、成瀬先生は、赤ちゃんがお母さんのおなかから生まれ、まだ腸がうまく動いていないので、排せつをするために体を動かしているのではないかという事を見抜かれ、動作に意味がある事に気付かれました。

臨床動作法は、からだが悲鳴をあげていたら、その声を聴いて、寄り添い、緊張したり緩めたりしてほぐしてあげる、体からのアプローチです。